メールマガジン バックナンバー

3030号 2022年6月8日

「自己効力感」を紐解こう ~あなたの自己効力感はどれくらい?~

(本日のお話 2855文字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は2件のアポイントと
「7つの習慣」研修の実施立ち会い。

また夜は5キロのランニング、
その後1件の打ち合わせでした。



さて、本日のお話です。

先日「自己効力感」について
お伝えさせていただきました。
本日も続けさせていただければと思います。

今日は自己効力感の中でも、
更に踏み込んだ世界に進んでみたいと思います。

(なので、なかなかカオスな内容ですが、、、
ご容赦いただければ幸いです汗)

それでは早速まいりましょう!

タイトルは

【「自己効力感」を紐解こう ~あなたの自己効力感はどれくらい?~】

それでは、どうぞ。

■自己効力感とはなにか?

そして、自己効力感を高める要因とは?

について、
先日お伝えさせていただきました。

※バックナンバー↓↓
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/4206774/

内容は、

「自己効力感」とは

”ある行動を自分は遂行することができると
自分の可能性を認識していること”
(Bandura,1997)

(≒「自分はできる!」と思えること)

であり、そして、

「自己効力感」が高まると、

・課題の達成率高くなる
・目標達成に向けた努力をする
・似たような状況がきたら、再度達成できる
・似たような状況での、不安や恐れが弱くなる

というポジティブな結果につながる、
というお話でした。

■ただ、この
「自己効力感」というのも、

よくよく見てみると
より深い世界があるようです。

例えば、

「自分は100m走については、
”やればできる!”と思うけど、
囲碁についてはやればできるとは思えない」

みたいな、

「あることには自己効力感があるけど、
別のことには自己効力感はない」

というケースもあります。

逆に、

”日常場面の全般について、
自分はやればできる!と思えている”

という広く、全般的に
自己効力感を持っている、

という場合もあります。

■はて、じゃあこれらの
「自己効力感」とは
それぞれどのように違うのか?

前者のように、

”短期的、具体的な
個々の課題や状況に影響を及ぼす自己効力感”

もあれば、

後者のような

”長期的、一般的化した
日常場面における行動に及ぼす自己効力感”

もある。

(ちなみにこれを
『一般性自己効力感(Generalized Self Efficacy)』
と呼びます(Bandura,1977))

■さらに言うとその
長期的な自己効力感は

「過去の成功と失敗から形成され、
個人差を持つ」

そうで、

この個人差を持つ
「一般性自己効力感」を測定することは
個人の行動を予測したり、コントロールする上で
重要なことではないか、

なんて疑問も述べられております。

※参考:成田 健一, 下仲 順子, 中里 克治, 河合 千恵子, 佐藤 眞一, 長田 由紀子(1995).
特性的自己効力感尺度の検討 生涯発達的利用の可能性を探る より

■そして、そんな背景から、

「一般性自己効力感」
(=特性的自己効力感)」

について測定尺度を
上記論文にて作成しており、

その内容が
自分自身の自己効力感を振り返る上でも
興味深いものだな、とも感じました。

、、、ということで、
以下ご紹介させていただきます。

皆様もご自身に照らし合わせつつ、
よろしければ考えてみてくださいませ

(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<一般性自己効力感 測定尺度>

1)自分が立てた計画は、うまくできる自信がある。

2)しなければならないことがあっても、なかなか取りかからない(R)

3)初めはうまくいかない仕事でも、できるまでやり続ける

4)新しい友達を作るのが苦手だ(R)

5)重要な目標を決めても、めったに成功しない(R)

6)何かを終える前にあきらめてしまう(R)

7)会いたい人を見かけたら、向こうから来るのを待たないでその人のところへ行く

8)困難に出会うのを避ける(R)

9)非常にややこしく見えることには、手を出そうとは思わない(R)

10)友達になりたい人でも、友達になるのが大変ならばすぐ止めてしまう(R)

11)面白くないことをするときでも、それが終わるまでがんばる

12)何かをしようと思ったら、すぐに取り掛かる

13)新しいことを始めようと決めても、出だしでつまづくと
すぐに諦めてしまう(R)

14)最初は友達になる気がしない人でも、すぐにあきらめないで友達になろうとする

15)思いがけない問題が起こった時、それをうまく処理できない(R)

16)難しそうなことは、新たに学ぼうとは思わない(R)

17)失敗すると、一生懸命やろうと思う

18)人の集まりの中では、うまく振る舞えない(R)

19)何かしようとする時、自分にそれができるかどうか不安になる(R)

20)人に頼らないほうだ

21)私は自分から友達を作るのがうまい

22)すぐに諦めてしまう(R)

23)人生で起きる問題の多くは処理できるとは思わない(R)

※※成田 健一, 下仲 順子, 中里 克治, 河合 千恵子, 佐藤 眞一, 長田 由紀子(1995).
特性的自己効力感尺度の検討 生涯発達的利用の可能性を探る よ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)

■さて、見てみていかがでしょうか。

こう見てみると、
一つ過去の研究者たちが

広く一般的な自己効力感
(一般性自己効力感)について、

・「友達を作る」(社会的スキル)

・「諦めない」(行動を完了しようとする)

・「難しくても頑張ってみる」(逆境における忍耐)

というような行動として
考えていることがわかるのが、
興味深いところです。

ちなみに、この内容、
Sherer et al(1982)の論文が元になっており、

1)行動を起こす意志
2)行動を完了しようと努力する意志
3)逆境における忍耐

等から構成した36項目を、
23項目に絞って日本語に翻訳したもの、

とのこと。

■また、まだ私も調べきれていませんが、
もっと考えてみると、

「自己効力感が高いから、
諦めない」のか、

「諦めないから
自己効力感が高まった」のか、

その違いも非常に気になるところ。

例えば、私も自分の日々を振り返り、

・先延ばしにしてしまおうか、

・自分に負ける

・「ああ、俺ってダメなやつ・・・」

と思ってしまい、
自己効力感下がりますが、

・先延ばしにしてしまおうか

・なんとか粘って頑張ってやったら

・「俺、結構がんばれるやつじゃん」と思い
自己効力感あがる

こともあります。

それは、自分という人間は
変わっていなくともつまり、

「状態」によって移ろうものであり、

周りの環境によっても
容易に変わりやすいものでもあります。

短期と長期にわけても、
諦めない、頑張る、なども
変わりうるものでもないか、、、

とも思えます。

■、、、と、

冒頭にお伝えしたように
カオスな内容になってしまいましたが(汗)

何がお伝えしたいかというと

”こと「自己効力感」といっても、
多様な視点、論点がある”

ということ。

自己効力感の2つの水準として、

・短期・具体的な自己効力感か
長期・一般的な自己効力感か

という視点もあれば

・自己効力感を因数分解すると
どのような行動になるのか

という測定因子もあります。

■そして、

一つの「自己効力感」という言葉も、
一歩踏み込んで考えてみると、
見えてくるものがより鮮明になります。

そして明確に見たものは
コントロールもしやすくなる。

ゆえに、

「自分はやればできる!」という感覚も、
解像度を高く見つめてみることも大事(かも)
そして、人生はつづく。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

汝の運命の星は、汝の胸中にあり。

フリードリヒ・フォン・シラー(ドイツの詩人/1759-1805)
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