メールマガジン バックナンバー

602号 2015年8月21日

「私は大事なことに時間を使っている」という”思い込み”にご注意

(今日のお話 1828文字/読了時間2分半)
■おはようございます。紀藤です。

昨日は3件のアポイント。

お昼は営業研修「ヘルピング・クライアンツ・サクシード」
に参加された人事ご担当者様へ御挨拶に目黒雅叙園へ。

今日は金曜日。
いつもに増して元気よく駆け抜けたいと思います。

■さて、早速ですが本日のお話。

昨日、ドラッカーの著書『経営者の条件』から、

<成果を出すためには、時間管理が必須である>

という話を紹介いたしました。

今日も続けます。


■「時間管理が重要である」。

この話は、

ビジネスに携わる方なら、
誰もが一度くらいは聞いたことがある、
ポピュラーなテーマではないかと思います。

そんな「時間管理」について、ドラッカーは
次のように述べます。

”成果を上げる者は仕事からスタートしない。
時間からスタートする。
計画からもスタートしない。
時間が何にとられているかを明らかにすることからスタートする。

 (中略)

しかし、一般に人は時間を管理する用意ができていない。
われわれは”どのように時間を過ごしたか”を
記憶に頼って知ることはできない。

 (中略)

時間を管理するには、まず自らの時間を
どのように使っているかを知らなければならない。”

『経営者の条件』 著:ピーター・ドラッカ―


■ドラッカ―が言うのは、

<時間を管理するには、まず自らの時間の使い方を知ること>
が大事だ、というわけです。

しかし、その結論よりも、
私がここで注目したいのが、むしろこの部分。

「”どのように時間を過ごしたか”を、
 私たちは、記憶に頼って知ることはできない」

というところ。

ここに「時間管理の罠」が秘められているのでは、
そのように感じたのです。

ドラッカーが紹介する、
「時間管理の罠」とも言えるこんなエピソードがあります。


 記憶自慢の人に、
 時間をどう使っているかメモさせて、
 何週間か記録を取らせた。

 そして”思っていた時間の使い方”と、
 ”実際の時間の使われ方”を比較してみる。
 
 しかし、 ほぼ全てのケースで、
 その2つは似ていたためしがない。
 
 例えば、ある会社の会長。
 
 3つのことを大切にして、彼自身、
 自らの時間をそれに使っていると思っていた。

 その3つとは、

 「幹部との時間」「大切な客との時間」「地域活動の時間」

 というもの。
 
 そして6週間にわたって
 ”時間の使い方”を記録してもらったところ、

 何と、これら3つの活動には、
 ほとんど時間が使われていなかった。
 
 それは、会長が
 
 『割くべきであると考えていた時間』

 にすぎなかった。

by『経営者の条件』(ピーター・ドラッカー) 


■自分の記憶が、自分に都合よく、

「自分は大事なことに時間を使っているのだ」

と思いこませているだけ(そして実際はそうではない)。

これは多くの方に起りうる
「時間管理の罠」
とも言えるのかもしれません。

実は、私もこの話を知った後、
ドラッカーの影響を植えて、

「1日どのように時間を使ったか」

について、数日間にわたり、
「My Stats(マイ・スタッツ)」という、
”時間管理のアプリ”で、
自らの使った時間を、細かく記録してみたのです。

すると、何がわかったか。

結論からすると、
まさしく、ドラッカーの話の通りでした。
(まことに残念ながら涙)

ちなみに、今まで私は

・英語勉強に時間を割くこと
・読書など勉強に時間を割くこと

を心がけてきたつもりでした。

隙間時間を活用して
1日で出来るだけ活動に時間をとれるように、
なんとなく努力していたつもりだった。

しかし、記録した結果を見てみると、
なぜだか、英語学習の時間は

「”携帯を眺めている時間”よりも断然少ない」

という事実が判明。

もっと見てみると、

・メール対応
・その他対応業務
・移動時間

などが、予想以上に時間をとっており、
「大切なアポイント」などに、
まだまだ理想的に時間を使い切れていない、
そんなことが分かったわけです。

まさしく、

「記憶が”大事なことに時間を使っている”と思いこませた」
という状態なのでしょう。


■私たちの脳は、
事実をそのまま認識しません。

気になって、ストレスを感じながら、
「やらなきゃやらなきゃ」と思っていること、

例えば、そんなものも、
もしかすると自分が「やらなきゃ」「やるべきだ」と、
何度も頭で反芻をしているだけで、
実際その活動に取り組んでいる時間は、
少なかったりするかもしれません。

これは
”思考のバグ”
とも呼べるものなのでしょう。

しかしながら、
今までよりも、より結果を出すためには、
工夫・改善が必要なことは言うまでもありません。

であるならば、ドラッカーがいうように、

<”何に時間を使っているのか”を分析すること>

が、まずは大切になるのでしょう。

「時間」とは、何気なく、
当たり前に流れていくものだからこそ、
意識をして、気を付けたいものですね。

ドラッカ―から学んだ知恵でした。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今日も皆様にとって素晴らしい1日になりますように。

【本日の名言】 時間は最も乏しい資源であり、
それが管理できなければ
他の何事も管理することはできない。

ピーター・ドラッカー""""

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