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3251号 2023年1月16日

ホランドの「六角形パーソナリティ・タイプの理論」(前編)

(本日のお話 1748字/読了時間2分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日日曜日は、
朝から読書勉強会への参加。

ドラッカー『プロフェッショナルの条件』を
皆で輪読しながら意見交換をしておりました。

お昼からは、
会社のスタッフのご家族一同と
新年のお食事会でした。



さて、本日のお話です。

今日は(も)「キャリア」について、
学びのおすそわけをさせていただければと思います。

今日取り上げる研究者は

”ジョン・ホランド”(1910-2008)

という方。

キャリアの理論では
とても有名な方です。

私も、彼が提唱した理論に準ずる
テストをやってみましたが、
「なるほどな」と発見がありました。

、、、ということで、早速まいりましょう!

タイトルは

【ホランドの「六角形パーソナリティ・タイプの理論」(前編)】

それでは、どうぞ。

■「人のパーソナリティと
職業には関連がありそう」

この感覚は、
多くの方が仕事経験の中で
感じたことがあるのでは、と思います。

例えば、

・人の支援が好き
・コミュニケーションが好き

という人は、

「社会的な仕事」
(例:教員・販売員など)

の仕事が向いていそう、とか

あるいは、

・研究や調査のような研究的な仕事が好き
・探索的に黙々と特定の領域に没頭することが好き

という人は、

「研究的な仕事」
(例:研究者、学者)

の仕事が向いていそうみたいなやつです。

■言われればそうだな、、、
という話ですが、

こうした概念は
意外と色んな切り口があるので、
複雑であり、分類が難しいです。

特に、

”自分の性格は
自分ではよくわからん”し

”仕事との関連はさらによくわからん”

ものです。

ゆえに、

自分のパーソナリティ、
そしてそれがマッチする環境を知るための
客観的かつシンプルなツールがあれば、
それは大変便利です。

そんな夢のような(と言うと大げさかもですが)

元祖「類型型タイプ分けツール」を
キャリア向けに開発したのがこのホランド氏

と言ってもよいかもしれません。

■彼が提唱し、有名になったのは、

『六角形パーソナリティ・タイプの理論』

というものです。

・Realistic:現実的
・Investigation:研究的
・Artistic:芸術的
・Social:社会的
・Eterprising:企業的
・Convertional:慣習的

という6つのタイプの類型を
パーソナリティと職業の交互作用のモデルとして
作り上げました。

(ちなみに、頭文字を取って、
「RIASEC=リアセック」と呼びます)

■その彼に対する評価は、
こんな風に語られます。

・職業選択とパーソナリティとの関連を
真正面から取り上げ検証した

・なぜ両者の繋がりが生起するのか、
両者のつながりが何を意味するのかを
説明しようと努力を重ねてきた
(Hogan & Blake, 1999)

とのこと。すなわち、

”パーソナリティと職業選択について
現場で使える理論を磨き上げてきた研究者”

とも言えそうです。

■ちなみに、彼が
この理論に行き着いたのには
背景があります。



彼は、1910年生まれで、
大学では心理学、フランス語、数学を
専攻しました。

そして時代でありますが、
卒業後は、第二次世界大戦(1942~1945)に
従軍していました。

そのときの彼の仕事は、

”戦時下における兵士の適材適所に
選抜・配置させる人事的仕事”

でした。

(ちなみに余談ですが、
他の心理学者もこのような仕事を戦時中していたそうです。
たしかストレングス・ファインダーのドン・クリフトン博士も
同じような経歴だったような。)



そして、多数の兵士の
職業経歴書を分析する仕事をしているうちに、

”一人ひとりの職業経歴に
多くの規則性があることに気づく”

のです。

そして、

”その規則性は数個のタイプに
分類できそうである”

と仮説を持つに至ったそう。
(心理学&数学者らしいですね)

■そこで、

”職業興味とパーソナリティの関連”

を追求し、

ホランドの6角形パーソナリティ・タイプの理論
としての、心理測定用具を開発します。

その思いの背景として、

「個人のために働く実践家がこの理論を理解し、
かつ利用できるように構築すること」

を目指し、

・複雑なテストでなく、
簡単なテストではあるけれど、
理論的な概念を測定できるツールを開発する

ことにこだわった、

と述べました。

あくまでも

「カウンセラーとして、
現場に役立ちたい研究者であった」

というのが興味深いところ。

彼は、カウンセラーなのです。

■そして、

「類型論」
(=人はいくつかの典型的なタイプに分類ができる
それによって、複雑な人間のパーソナリティを整理できる)

とする立場と

「交互作用的理論論」
(=人と職業との関係での理論であること)

という立場の両方から研究を続け、
彼の理論を完成させていくのでした。

ということで、

・具体的な理論の概要
・テストの内容や結果

については、
また明日に続けたいと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の明言>

人生のほとんどすべての不幸は、
自分に関する誤った考えをするところから生じる。

スタンダール

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