メールマガジン バックナンバー

3328号 2023年4月4日

シニア雇用は「4つの視点」から考えるとわかりやすい

(本日のお話 2513字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は2件のアポイント。

また3月まで通っていた立教大学に
学生証の返還と学位記をもらいにいきました。

桜が舞い散る中で入学式をやっており、
春というのは、始まりであり終わりだなあ、

と少し寂しくも感じた1日でした。

次の学びを探索しつつ、
まずは私の領域で貢献できるように
始めていきたいと思います。



さて、本日のお話です。

昨日は、
シニアのジョブ・クラフティングに対して
お話をさせていただきました。

最近この話題について、
人事の方からお話をいただくことも増えており、
多くの企業でも注目しているテーマなのだろう、

と感じています。

本日もこのテーマについて
掘り下げてお伝えできればと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは

【シニア雇用は「4つの視点」から考えるとわかりやすい】

それでは、どうぞ。

■「シニア雇用」。

このカテゴリは、

”外国人労働者とならんで
「マイノリティー労働者」と位置づけられている現状がある”
(藤本,2019)

そうです。

シニアは、マイノリティー労働者、
という定義なのですね。。

■しかしながら、

厚生労働省の発表の
2021年の統計データでは

「シニアの労働者割合」は
男性27.5%、女性が16.9%で
全体の21%を占めているそう。

また「シニアの労働者数」は
男性が325万人、女性が194万人で、
合計で約520万人となっています。

”全体の21%”というと
マイノリティというには少し多い気もします。

■そしてお察しの通り、
これからの推移はシニア労働者は
ますます増えます。

5年後(2026年)になると
男性が30.0%、女性が19.2%となり、
全体の約24%を占めるとされます。

また10年後(2031年)では、
更にシニアの雇用は拡大され、

男性が32.3%、女性が21.0%となり、
全体の約26%を占めると予測されています。

ここまで来ると全体の30%近くです。

もうマイノリティとはいえませんね。

■このような流れの中にある

「シニア雇用」

ですが、

一言でシニア雇用といっても、
色々な切り口があるようです。

■例えば、上記の

「シニアの労働者割合」

がどうこう、というのはマクロの視点です。

こうした大きなデータは、

”労働力としてのシニア雇用”

として議論され
領域としては「経済学」になるようです。

社会保障費を補填するために
シニアの人も元気で活躍してもらわないと、、、

「経済のサステナビリティとしての
シニア雇用」

という議論がここに紐付きます。

■また、別の視点から
もう少し組織に近づいてみると、

「シニアが活躍している限り
若手が活躍できない」

という議論もあります。

これは役職定年などの制度に
絡んでくるお話になります。

■さらに、もっとミクロに、
個人に近づくと、

「定年による転機」

というテーマも出てきます。

これは、役職定年による、

自分がこれまで所属していた組織から
距離をとることになった、

「株式会社〇〇の課長」という
自らを定義していた所属組織や肩書が外れた、

その結果、
自らのアイデンティティに変化が生じ、
”自分は何者か”ということの再定義と探索が始まる、

そして人生は続く、、、

というような話です。

こうすると「心理学」の領域となってきます。

■と書いてみると、

「シニア雇用に関すること」

でも、

・「組織」の視点から見るのか
・「個人」の視点から見るのか

あるいは、

・「経済学」の視点から見るのか
・「心理学」の視点から見るのか

によって、
議題となる事柄が変わってきます。

そして、

・どのような領域が、
「シニア雇用」にはあるのか?

・(関わっている人事・経営としての自分たちは)
どの領域を主に知っておく必要があるか?

を理解することは、

この領域に関わる人にとって
役に立つ知識になると思われます。

■このことについて

「シニア雇用の視点」について、
先日の読書勉強会で取り扱った

『シニアと職場をつなぐ: ジョブ・クラフティングの実践』
岸田 泰則 (著)
https://amzn.asia/d/9r5KiY1

では、「4つの視点」として
まとめられていました。

わかりやすく、なるほどなあ、
と思いましたので、
以下、ご紹介させていただきます。

(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【シニア雇用に関する「4つの視点」】

<「組織」からの視点>

●経済学

*シニア雇用と若年者雇用の代替・保管の議論
(=シニアと若年者の仕事の奪い合いが「ある」とする議論。
シニアへの賃金過払いの議論など)

*経済のサステナビリティとしてのシニア雇用
(=社会保障制度の持続可能性)

●経営学

*シニア雇用推進企業の存在:ソーシャルビジネス

*ワークシェアリングとしてのシニア雇用

*シニアの人材育成投資不在の問題
(=教育投資の対象となっていないとする研究もあり)

<「個人」からの視点>

●経営学

*下りるキャリアの視点
(=役割を手放していくこと)

*「第一線で働く能力」と「現役世代の力になる能力」

*シニアの役割設定に資するジョブ・クラフティング
(=役割を縮小することでモチベーション維持を測る)

●心理学

*定年を転機(トランジション)と捉える視点
(=定年=終点ではなく、キャリアの転機と考える視点がある)

*世代継承性の視点
(=「経験や知識を後進に継承しよう」とする発達理論がある)

*SOCモデルなどの補償プロセス
(S:選択、O:最適化、C:補償)

*「創造的あきらめ」などのレジリエンス

※引用・参考
『シニアと職場をつなぐ: ジョブ・クラフティングの実践』
岸田 泰則 (著) P45、 図2-3 より

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)

■こうしてみてみると、

”シニアの活躍”

という観点で、
何を考えるべきなのかが
見えてくるように感じます。

「経営学」では、

組織としては、シニアの雇用を推進するための
仕事の創出や、人材育成投資も
考える必要がありそうですし、

個人としては、変わる役割を
モチベーションを維持する形で捉える工夫
(ジョブ・クラフティング)も必要になりそうです。

もっと引いてみて、
キャリアとしての転機を考える施策や
レジリエンスについても考えるという方策も、
必要になる、という見方もありそう。

■色々あるよね、ということで

こうして分類すると
何に取り組むべきなのかが見える化されて
とても勉強になるな、と感じました。

今後、ますます注目されそうなテーマですね。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

==========================
<本日の名言>

人間は金銭を相手に暮らすのではない。人間の相手はつねに人間だ。

アレキサンドル・プーシキン
==========================

365日日刊。学びと挑戦をするみなさまに、背中を押すメルマガお届け中。

  • 人材育成に関する情報
  • 参考になる本のご紹介
  • 人事交流会などのイベント案内

メルマガを登録する

キーワードから探す
カテゴリーから探す
配信月から探す