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935号 2016年9月5日

悲観主義と楽観主義のバランス

(今日のお話 1443字/読了時間2分)
■おはようございます。紀藤です。

昨日日曜日は、カフェで読書など。

山崎豊子の『華麗なる一族』を読んでおりました。

ドラマでも有名になりましたが、
1970年代の銀行再編の動きと、
それに絡む人の欲・野望・野心を描き出しており、
非常に生々しいリアリティを感じる作品です。


ですが、同時に、読んでいると正直、

「人間ってこえー」
「政治家って恐ろしい」

という感情になり、
暗澹とした気持ちも感じるのです。

人間のエゴがリアルに描かれすぎていて、
「人」というものに対して、”悲観的”になってしまう、
そんな感覚を覚えてしまいました。


今日は、そんな小説を読んで感じた
”悲観的”な感情に絡めて、


「悲観主義と楽観主義」


というテーマで、
思うところをお伝えさせて頂ければと思います。

それでは、どうぞ。

■しばしば、


「あまり悲観的になってはいけないよ」


というように、悲観主義に対して、
牽制をするような発言を耳にすることがあります。


事実、私も

”悲観主義すぎる”

というのは、心の毒だと思っていますし、
気持ち緩やかに過ごせたほうが、
心身ともに健康でいられるもの、

そのように思っています。



■少し話が変わりますが、
この「悲観主義」について、こんな興味深い話を聞きました。

それは、

”韓国、中国などの若者と、
日本の若者の考え方の違い”

というテーマについて。


ある調査により、以下の質問について、
それぞれの国の学生に聞いてみたそうです。

その質問とは、


”Q、あなた方の未来は、親世代よりも豊かになると思いますか?”


という単純な質問でした。


■これに対しての答えがどうなったか。

それは、


韓国・中国は、
「そうなると思う」が70%を超え、

日本では、
「そうなると思う」が約35%程度


という結果になったそうです。


すなわち、韓国・中国の半分の若者しか、
日本の若者は未来に期待をしていない。

つまり、日本のこれからを支える人は、

「これから自分達は親世代より悪くなる」

と思っているということになります。


確かに、少子齢化、人口減少など、
日本に対して先行き不安なニュースは、
いくらでも出てくるのが現実。

そう思うのは無理もない気もします。


しかし、悲観的になりすぎると

・お金を節約しよう、
・リスクをもっと考えよう、
・慎重に行こう、
・ミスは許されない、

そんな感覚が大きくなりすぎて、
身動きがとれなくなってしまう、

そんな特徴を持つようになる傾向があるようです。



■これらのお話から、
思うことがあります。

それは、リスクを考えること(ある程度悲観的な発想)は
有効ではあるものの、

「これから不安」
「何も頼れない」
「失敗したら身が危うい」

と思いすぎると、
そのためのリスクを考え、
保守的になり、チャレンジができなくなる、

という影響があるのではないか、ということ。


すなわち、


『悲観主義になりすぎると、挑戦できなくなる」


ということに繋がるのではないか、

そのように思ったのです。


■適度な悲観主義は大事。

でも、

何があるかわからない、
心配でしかたない、
これを言ったら嫌われるかも、
こんなことをやって失敗したら後に響く、

などと、リスクばかり考えていたら、
硬直して動けなくなるもの。

そう考えると、
私の英語塾の師がいっていたように

【Pessimistic makes nothing.】
 (=悲観主義は何も生まない)

というのは、一つの真実ではないか、
と感じるわけです。



「悲観主義」に偏りやすい現代。

ですが、偏り過ぎると動きが止まるということを念頭に、

自分の中の、

『悲観主義と楽観主義のバランス』

を考えて、偏りすぎず、

適度なリスクと挑戦の気持ちを保てるようにいたい、
そして新しい物を生み出す力を蓄え続けたい、

そんなことを考えた次第です。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今日が皆様にとって、良い1日となりますように。

【本日の名言】 心配ならば私たちは行動を起こすべきであって、
憂鬱になるべきではない。

カレン・ホオーナイ

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