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728号 2016年2月11日

「予想外価値のコンボ」で、突き抜ける

(今日のお話 2708文字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。

昨日は、新規のご導入企業様で、
卓越した生産性を目指す「5つの選択」研修でした。

手上げ式でミドルマネージャーの
皆様がご参加頂き、非常に集中力高く、
たくさんのご意見が出ておりました。

「小さい石(=重要じゃないこと)に対処してばかりで、
 ”緊急中毒”に陥っているのではないか」

という部分では、皆様大変納得感があったようで、
現代という時代は「重要なことに集中すること」自体が、
難しいと気付かれたご様子でした。

”行動を変えるためには、まず意識を変えること”。

と言いますが、今回の機会が皆様にとって、
より飛躍するための一歩になることを、
心より応援しております!

■さて、本日のお話です。

先日、ある「ダイヤモンド経営塾」にて
千葉県鴨川市にある亀田病院の
亀田院長 兼 社長のお話を聞く機会がありました。

亀田院長は、東京大学医学部卒業後、
千葉県にあり代々続く亀田病院を、
父親から引き継ぎます。

正直なところ、場所は僻地(鴨川)。

そこにあるごくごく普通の病院を、
先進的で、メディアでも引っ張りだこになるような、
人気病院へと進化させました。

そして、そうなる過程のチャレンジが、
非常に刺激を受けました。

今日は、そんな話から、

「期待値を上回ること」

について、大切な教訓を学びましたので
共有させて頂きたいと思います。

それでは、どうぞ。


■私たちは仕事をしている以上、
喜んでもらうべき相手がいます。

それはお客様だったり、
取引先だったり、
はたまた社内の誰かだったり。

状況によりそれぞれでしょうが、

「誰かに価値を提供する」

ということは、社会に生きる私たちにとって、
大切な事ではないかと思います。



さて、そんな中、
サービス・マネジメントで有名な
カール・アルブレヒトというドイツの実業家が
(世界長者番付 元13位)

”提供する価値”について、
「価値の四段階」というものがある、

という話を述べています。

どんなものかというと、
それは、

・基本的価値 (不可欠な価値= なきゃ話にならないよね)

・期待価値 (当然と思う価値 = まあ、普通あるよね)

・願望価値 (あればいいなあ)

・予想外価値 (喜び、感動)

という4つだそう。

よくホスピタリティのホテルマンなどが、

「顧客の期待を超えるサービスを!」

などと、
声高に叫ぶことがあります。

それは、いわゆる

”予想外価値”(そんな事までしてもらえるの!)

に分類されます。

他の”予想外価値”の例だと、
こんなものがあります。


私の友人が、かの有名な、
ディズニーランドで靴を無くした時の話。

キャストにその状況を説明すると、
なんとディズニーランドから
『新品の靴をプレゼントされた』そう。

彼は、さすがに驚きました。
そして、ディズニーのファンになり、
キャストのアルバイトに応募までしました。
(残念ながら、落ちましたが、)

また、有名なリッツカールトンのお話。

仕事の重要な会議資料を忘れたお客様がいました。

午後から必要で、郵送でも間に合わない。
どうしたものだろうか。

そんなお客様に対して、
スタッフが自己判断で、
『新幹線にのって届けた』そうです。

これも「そこまでするか!」という
”予想外価値”と言えるでしょう。


ちなみに、この

「予想外価値」(まじかよ!そこまでするかよ!)

は、一度発動してしまうと、
常態化してしまい、顧客に”慣れ”が生じます。

つまり、予想外じゃなくなるので、
「予想外→願望(あったらいいよね)」へと
ランクダウンします。

またもっと言うと
「願望(あったらいいよね)」をどの会社も当たり前にやり始めると、
「願望→期待(あって当然)」へと、
更にランクダウンしてしまいます。


■さて、長々と色々な
「価値」のお話をくどくど致しましたが、
もう少しだけお付き合い下さいませ。

この話から、何を思うのか。

それは、先ほどの亀田病院の凄さなのです。

「普通の病院を、新しいサービスで
 先進的な病院に進化させ、人気病院になった」

と言えばそれまで。

しかし、その過程を見てみると、

”他がやっていない、期待を遥かに超えた
「予想外価値」の連続技が成し得えた結果”

だということです。

よく何か新しいサービスを始めよう、
イノベーティブな何かをしましょう、
と言う時、

1、2回くらい、新しい企画を行ってみて、

「ああ、あんまり当たんなかったね。
 ハイ、おしまい」

みたいに、ちょっと手を出して終了、
ということしばしばあるように見受けられます。

でも、当たり前の話ですが、
そんなちょっとやそっとやったくらいで、
大きなうねりなど、生み出せるはずもありません。

しかし、亀田病院はそうではなく、

【徹底的にやり切った】

わけです。

例えば、

・サポーター制度(家族を医療スタッフの一員と考える)
 → 面会時間も関係なく、いつ来てもいい制度

・宅配システム
 → 歯ブラシなど売店の物を、病室のネットからオンラインで頼める。
  すると看護師さんが届けてくれる(100円かかります)

・宅配システムPART2
 → 売店にないものも、あらゆるものを注文可能。
   桶川市内にスタッフが買いに行き、届けます。(500円かかります)

・ICU(集中治療室・・普通入れない)の隣にテラス、
 → ゆったりとしたソファ。海沿いのホテルのような部屋を用意し、
   看護疲れをさせないしくみ。

・表参道ヒルズ発。一流の美容室を常設。
 → 髪を切るなら、とことんオシャレに。
   美容サービスで日本一を招致する。

・スピリチュアル・ケアルーム(霊安室)
 → 24時間おくりびとを配置した霊安室。
   ガーデンテラス風だったり、教会風だったりいろいろある。

etc...
(他にも、たくさん、たくさんあります)

このように、ありえない、
ということを、1回でなく、
2回、3回、10回、20回と、

『予想外価値のコンボ』

を生み出し続け、
顧客の期待に応えつづけ、
そして先進的な病院へと変化を遂げたのです。


■その道を突き進む、
と決めたなら、とことんやり切ること。

1石投じて駄目なら、2石投じる。
2石投じて駄目なら、3石。
3石でも駄目なら、10石。
10石でも駄目なら、100石。
それでも駄目なら、1000石。

そのように

【徹底的にやる】

ことでこそ、

「予想外価値コンボの連鎖」を生み出し、
圧倒的な差別化、成果を生み出すことが
できるのではないだろうか、

そのように思うのです。


■「7つの習慣」でも、
第一の習慣 主体的である で、

”影響の輪(できること)に働きかけることが大事”

といいます。

でも、これは「1回だけやればいい」
という話ではなく、
今日も明日も明後日も、

「”習慣”としてやり続ける」

ことでこそ、効果が表れる、
といえるのです。

目的とすることを実現するために、
自分はやれることを、
徹底的にやっているのだろうか。

そんなことを胸に手を当てて、
考えていきたいものです。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今日も、皆様にとって素晴らしい1日になりますように。

【本日の名言】 人生の落伍者の多くは、
あきらめた時に、
自分がどれだけ成功に近づいていたかに
気が付かなかった人たちだ。

トーマス・エジソン

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