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75号 2013年6月21日

自衛隊の「戦術書」に学ぶ、成果を上げる秘訣

■おはようございます。紀藤です。

先日ご訪問させて頂いた企業様で、
元自衛官で活躍されていた方とお会いさせて頂き、
その中で、非常に面白いお話があったので、本日はその話を共有いたします。
(Yさん、貴重なお話をありがとうございました!)


■弊社のご紹介の中で、
「私たちが扱う『7つの習慣』は時代や国を超えて、
常に変わらない「原則」に基づいてお伝えしています」
というお話をしたところ、その方は、

「自衛隊の中には、「戦術書」というものがあり、
 それにも「戦いの原則」が記されているんですよ。
 何だか似ていますね」
と仰られました。


■色々教えて頂いた中の一つなのですが、
「集中の原則」というものが、特に私の印象に残りました。

「集中の原則」とは、戦いに勝つ上で、守らなければいけない鉄則の一つ。

平たく言うと、勝つためには、

「自分達の戦力のパイが限られている中で、
 最も相手にダメージを与えうる箇所に、戦力を集中せよ」

という原則だそうです。

”相手の艦隊が10あったとしたら、
10にそれぞれ均等に攻撃したとしても、大きなダメージを与えることはできない。

最も影響力が強い一つに、自軍戦力を絞って攻撃し、
それ以外は、援護を防ぐための最低限の行動だけ。

それが、全体で勝つために必須の原則である”

とのことでした。


■この話は、組織が戦略を実行する際にも同じことが言えます。

組織が戦略を実行するための方法について書かれた、
『戦略を実行できる組織、できない組織』においても、
戦略を実行するための規律の一つとして、

「最重要目標にフォーカスする」

ことの大切さを述べています。

どうやら、人間は遺伝子的に一度に一つのことしか完璧にできない、と言われており、
これは、生まれもって万人に働く原則として存在しているようです。

マサチューセッツ工科大学のアール・ミラーはこのことについて、
以下のように説明しています。

「二つの作業に集中しようとすると、脳の処理容量を超えてしまう…
 電子メールを書く、電話で話すなど同じような作業を一度にやろうとするときは、
 脳の同じ部分を奪い合うことになる。
 詰め込み過ぎれば、脳もスローダウンする。」


■このような原則を踏まえた上で、私たちが成果を残そうと考える場合、
以下のような考え方が大切ではないか、と本書でも提案しています。

× すべての目標が大事。10~15個の目標でも同時進行で、
  気持ちで取り組み、達成せよ。もっと必死に、長く働けば可能だ。

〇 目標の多くは重要。だが最重要目標は2~3個だ。
  それらは何としてでも達成しなくてはならない。
  だからその2~3個に最大限の努力を注ぐ。


■そして、これは組織だけでなく、個人にも同じことが言えるのではないでしょうか。

自分になし得たい何かがあったとき、
「あれもこれも」で果たして卓越した成果が残せるか、というと、
少なくとも私には自信がありません。

平凡であればともかく、「卓越した成果」を残したいと願うのであれば、
自分の時間や労力を絞って傾けなければ、そこそこの成果に
終わってしまうのではないでしょうか。
(私にも、「あれもしたい」「これもしたい」で結局何もできていなかった、
 という山のような苦い経験から感じたことです…汗)

軍隊でも、組織でも、個人でも、何かを達成しようとする際には、

「何が大切なのか、優先順位をつけ、絞り込むこと」

が重要なのでしょう。


■今日のお話は、

・自衛隊には「戦術書」という戦いに勝つ「原則」をまとめた書がある。

・その一つが「集中の原則」。

・それは、自分の持っているエネルギーを、最も効果的な箇所に集中しぶつけること。

・組織が戦略を実行し結果を出すことにも、同じ原則が働く。

・2~3個の最重要項目に絞ることで、遺伝子的にも矛盾が生じず、エネルギーを効率よく使うことができる。

・そして、個人が卓越した成果を残そうと考えたときにも同じことが言える。
 だから、結果を出すために、「最も効果的な活動」に絞ることが大事なのでは。

というお話でした。


今日も皆様にとってよい一日になりますように。

【本日の名言】 焦点を絞り込むほど、
傑出した仕方で目標を達成できるチャンスは増える。

           スティーブン・R・コヴィー

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