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2341号 2020年7月18日

「自己基盤」に向き合う

(本日のお話 2058字/読了時間4分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は CRR Global JAPAN のシステムコーチ
ングの集中トレーニング3日間の1日目でし
た。

トレーニングを受けつつ、
改めて感じていることが、

「コーチングとは自分の弱さも
恐れも全部出るのだなあ」

ということ。

こちら側が遠慮していると、その空気
をクライアントも感じるし、自分が勇気を
持って踏み込むと、相手もそれに呼応する。

スキルやテクニックを超えた「あり方」っ
て大切だな、とよくよく思います。

そしてそれは多分、上司部下の関係、
夫婦の関係、友人の関係でも同じなのでしょう。



さて、今日のお話は、そんな

「あり方」

について、コーチングのトレーニングを
受講しつつ、感じたことを皆さまに
ご共有させていただきたいと思います。

ちょっと抽象度の高い話であり、
人によってはこういう類の話はちょっと苦手..

と思われる方もいるかもですが、
よろしければ付き合いいただければ幸いです。

タイトルは

【「自己基盤」に向き合う】

それでは、どうぞ。

■コーチングをやればやるほど思うこと。

それは「人は本当に複雑である」ということ。

人は機械みたいに、モーターのこの部分が
壊れているから、取り替えましょう、はい、
治りました!というシンプルなものでは
ありません。

一つの課題に焦点を当てても、その背後には
実に多くの事柄が絡み合っていたりします。

■例えば、私の場合。

(自己開示にやや抵抗がありますが)
先日、向き合った自分の内面の複雑さは、
以下のように連鎖していました。

<目に見えている課題>=
「仕事で売り上げをもっと増やしていきたい。
しかしこの市況で不安もある」


売上を拡大するには、人を雇い、組織を拡大
したほうがいいのはわかる。だが、人を雇う
リスクを感じている


人を雇って、そして売上をあげられない怖さ、
その背後には何があるのか?その一つに
「自分は人を育て売上を立てる能力がなかった」
と認めざるを得ない怖さがある。


売上があげられない、成果が出ない。イコー
ル、自分は優秀ではない、と認める。それに
こわさを感じているのだ。


本当は、自分は特段優秀でないとわかってい
る。なぜわざわざ優秀であろうと見せたいのか?
そうしなければならない理由は、一体なにか?


遡ると、中学校のハンドボール部時代が思い
出される。運動ができず背番号14番中14番、
補欠で存在感がなく、後輩にすら馬鹿にされる
痛い記憶があった


今プレイしているゲーム(今なら資本主義社
会における価値証明としての”売上”)で
成果を出し、勝たねば、あのときのような
惨めな気持ちをしそう。それはイヤだ。

だから、

「仕事で売上を伸ばし続けないといけない」

という思いもある、

、、、というように。

(上記の考えはごく一部ですが)

■最初は、今の気持ちとして
「仕事の売上が立てられないと不安」
だったのが、深く連鎖的に内面を掘っていくと、

ピュアで柔らかい思春期真っ只中、
中学生時代の思い出と、苦い記憶が
掘り出されてきた、、、という具合です。

■コーチングをしていてよく思うこと。

それはどれだけ人は大人になって、
経験を積み、理屈や論理で語れるように
なったとしても、

「心の奥底には
非常に柔らかい繊細な部分がある」

ということです。

無自覚でも、硬い鉄のような権威や
立場や論理で自分を守っているように見えても、

心の奥底の柔らかい部分に
痛みや課題を抱えている人が、
一人苦しんでいることに、
コーチングをすると気が付きます。

■このような”内面系”の話については、
探求するのが好きor嫌い、得意or苦手など
あるものだと思います。

強制するものではないので、
全員が全員考える必要がある、

とも思いません。

ただ、思うのが

「誰しもが複雑な内的世界を持っている」

ということと、表面で見えていないものが
今の課題に対して影響を与えていることが
ある、ということです。

そしてその根本に目を向けないと、
表面の問題も解決されることはありません。

こういった根本のことを
コーチングの世界では

『自己基盤』

と言っています。

■もし皆様の中に、例えば

・今、目の前にある課題
・何回も繰り返す人間関係の問題
・慢性的にある不安

などがあったとしたら

そこに深く、向き合ってみた時にその
根本的な原因は、

「実は、現実見えていることではなく
もっともっと深い部分にあった」

ということ十分、起こりえます。

それは、過去に取り残してきた”未完了”
のこと、消化できていないこと、

すなわち「自己基盤」にこそ、その
問題解決のヒントがあるのです。

■そんな背景を踏まえて、
もし不安や不満があるとしたら、

「今の自分の不安の背後にあるものは、
どのようなものがあると思いますか?

「そしてそれは、過去の自分と
どのようにつながっていますでしょうか?」

、、、

ちょっと重たい質問ではありますし、
こういったことを考えるのは、自分の中の
パンドラの箱を開けるようなもので抵抗感が
あるかもしれません。

ただ、もし今日のお話に気にあることがあった
方は、深く考えてみることで大いなる気づきが
あると思います。

「自己基盤」、大切です。

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<本日の名言>

人々が孤独なのは、
橋を架ける代わりに
壁を築いているからである。

ジョセフ・フォート・ニュートン(米国の牧師/1876-1950)

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