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3010号 2022年5月19日

妻にコーチングをしたらこうなった(ログあり)

(本日のお話 3751文字/読了時間5分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は4件のアポイント。
その他、ワークショップの準備など。

ウルトラマラソンまであと3日。
楽しみでございます。



さて、本日のお話です。

先日より、立教大学大学院(LDC)の授業での
「マネジリアルコーチング論」について
絶賛ハマっております。(良い意味で)

その授業の中で、

「コーチングを録音し、
逐語録を作る」

という課題がありました。

それを実施したところ
諸々の気づきがございました。

今日はそのお話について、
皆様にご共有させていただければと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは、

【妻にコーチングをしたらこうなった(ログあり)】

それでは、どうぞ。

■「コーチングを実践し、録音し
逐語録を作ること」。

マネジリアルコーチングの授業で、
こんなテーマの課題が出ました。

ちなみに、

”マネジリアルコーチング”
(管理者のためのコーチング)

なので、対象は基本部下となります。

私の場合は、
自分で会社をやっています。

そしてスタッフは妻もいるため、
仕事の役割上は、”妻”がいちおう部下となります。
(家庭ではさておき・・・)

■ということで

「ちょっと、マネジリアルコーチングの宿題、
付き合ってくれないかな」

と妻に依頼し、早速逐語録を作ってみました。

※ちなみに、

マネジリアルコーチングの
大きな流れとしては、大きく以下の5ステップです。

1,テーマ・ゴールを決める

2,メンバーの話を聴く(傾聴・質問など)

3,学習・行動を促す

4,必要なサポートを確認する

5,感謝と労いを示す

(※「4,必要なサポートを確認する」が
マネジリアルコーチングに特徴的かと思います)

■そして、実際にこんな感じで進めてみました。

以下せっかくなので(?)、
コーチングのログを公開してみます。
(長いので最初と最後のみ)

(ここから ※妻掲載許可ずみ)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<土曜日の昼下がり @自宅にて>

コーチ(紀藤):じゃあ、よろしくお願いします。

クライアント(妻):よろしくお願いします。

コーチ(紀藤)ちょっとなんか変な感じですね。どうですか。今のお気持ちは。

クライアント(妻):今も子育てモードなので。(※足元に1歳の息子がいる)

コーチ(紀藤)あ、そうですか。

クライアント(妻)ちょっとモードを変えなきゃなと。

コーチ(紀藤)確かに、目の前で(息子が)遊んでいますので。
・・・とは言いつつ、ちょうど保育園も始まりまして、
カレッジの仕事もだいぶ始動してきている状況ではありますが、率直にどうですか。
4月が始まってひと月ぐらい経ちましたけれども、お仕事の役割で思うところはありますか?

クライアント(妻):そうですね。4月に入ってまだ慣れ保育とかあったから、本当にちゃんと仕事し始めたのは最近だけど。
保育園にゆづきさん(息子)がいてくれていることで、自分の中でも家と仕事のちょっと切り替えができるようになってきたというか。
そういうのがちょっとあるかな。

コーチ(紀藤)うん、なるほど。
日中のそれまでと変わったところはありますか?

クライアント(妻):やっぱりメリハリができたってっていうのは、
すごく自分にとってもプラスかなっていうのは思いますね。
家でゆづきさん(※息子の名)といる自分と、プラスで仕事をしているっていうのもまた違う顔なので、
うーん。それがあることで、本当にゆづきさんとの時間も尊いものに思えるというか。そういう気がしてますかね。

コーチ(紀藤)なるほど。何かそういう意味でプラスな感情が何かあるんですね。

クライアント(妻):そうですね。

コーチ(紀藤)今日、そんな中でちょっと仕事に関連してという話になりますけれども。
話をしたいテーマとかありますか。相談したいこととかありますか?
(→『1,テーマ・ゴールを確認する』)

クライアント(妻):目標はちゃんと定めたいかなってあります。
何となくこういうことをするべきなこととかした方がいいことはあるんですけれど。
何か目の前のことをやっているだけなので。それもありつつ、何を目的にやっているのかというのを、もうちょっとはっきり何か言葉にしたり。
カレッジとして今後どうしていきたいのかとか、それに対して、自分はどういう風にやっていったらいいのかとか、
そういうのはちょっとはっきりしていけるとなんかよりやりやすいのかなという気がしてます。

コーチ(紀藤)なるほど。保育園が始まって新しい役割ふくめメリハリがついてきたけれども、
そこに加えて目標というところ、何のためにやっているのかとか、
そういうのがちょっと見えてくるといいかなという感じですかね。

クライアント(妻):はい。

コーチ(紀藤)そうすると、今日の話のゴールは、
まずさしあたって目標を一緒に決めるみたいな感じがいいですか?
このあたりをはっきりさせたいとか、何かありますか。

(→『1,テーマ・ゴールを確認する』)

クライアント(妻):私がやれることって、一番中枢のところはやすさんが考えていくことだと思う。
それを基に、自分がデザインとかWeb系のこととかで何ができるかとか、それを考えていくっていう順番かなと思うから、
まずカレッジとして今年何を目指したいのかとか、対象のクライアントさんとかもちょっと変わってきたって話してたから、
そういうのとかもうちょっと改めて共有し合うということをまずしたいのかな。

***

(中略 → 『2,メンバーの話を聴く』 )

***

コーチ(紀藤):現段階でこれをサポートしてほしいなとか、
こういうふうにやっていきたいなとか、こういう支援ほしいなどはありますか?

(→『4,必要なサポートを確認する』)

クライアント(妻):予定をとかスケジュールを教えてくれていたときがあったけど、
そういうのがあったらわかりやすい。そういうのは定期的にあったらありがたい。

コーチ(紀藤)定期的にきちんと共有していくのとあとカレンダーに
いろいろと入っているので、それも見てもらいながら、という感じですかね。
一旦ちょっと時間になりましたので、今日ありがとうございました。

本当に4月に戻ってきていただきまして、◯◯さんの件でも助かっています。
昨日の研修のところもそうだし。
本当にどうしようもなく、仕事が詰まっているところもあるけど、
やっぱり精神的に、楽になるよね。いやまじで。
自分も大学院を含めて、妥協せずに頑張ります。
今日はありがとうございました。

(※『5,感謝と労いを伝える』)

クライアント(妻):はい、ありがとうございました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)

■、、、という感じになりました。

まあ、相手の心にぶっ刺さる、
秀逸な問いがあったわけでも、

気持ちを揺さぶる、
特別なフィードバックがあったわけでもありません。

加えて、通常、私が仕事で
コーチングをやっているときより、

お互いの関係性が近い(近すぎる?)等
その他の要素が混ざってくるため

ちょっと複雑な気持ちとともに、
ギクシャクしている感もあります。
(→言い訳です)

■ただ、それを鑑みても、
こうやってログをとって振り返ると
感じることがあるものです。

例えば、
「あくまでも自分がクライアントだったら」
という視点で振り返っても、

・質問の枕詞が多く、意図が分かりづらい
・思ったよりも自分が話している
・うん、うん、と言い過ぎで若干しつこい感がある

という思ったりもしました。

また「基本の型」からみた時に

1,テーマ・ゴールを決める
2,メンバーの話を聴く(傾聴・質問など)
3,学習・行動を促す
4,必要なサポートを確認する
5,感謝と労いを示す

と大筋の流れは身についている一方、

「4,学習と行動を促す」
(「じゃあ、具体的に何をする?」
「これやってみたらどう?」など)

を自分はやや苦手としているのかも、
とも感じました。

相手がストレッチするのに、
ストレスを感じるのではないか、、、

という配慮なのか恐れなのか、
何かがあるようです。

■そして、この一連のことから思うこと。

それは2つほどありました。
まず1つ目が、

『リフレクション(振り返り)の効果』

です。

普段、自分が喋ったことを
録音で聞くこともなければ、
それを書き起こすこともありません。
(そりゃそうだ)

多分、こういうことをやったのは
2年ほど前、国際コーチング連盟の
コーチングの資格を取得したときでしょうか。

面倒くさいと言えば、
実に面倒くさいのですが(失礼)、

ただそれ以上に自分のリアルな行動ほど、
フィードバックをくれる情報はない、とも思います。

だって、否定のしようがない
「自分がやったこと」ですので。

■そして思うことの2つ目。

それは、

『コーチングの意図合わせ』

は重要である、ということ。

実は、妻も以前
コーチングのセミナーを何度か受けたことが
ある人でした。

ゆえに、
”コーチングを受ける側のお作法”
を知っています。

ここでいう受ける側のお作法とは

・コーチングを行う効果と意義を知っている
・クライアントのための時間であることを知っている
・コーチとクライアントで共に進めていくもの知っている

ということの理解です。

ゆえに、クライアント(妻)は受け身にならず
長らくコンビを組んでいる漫才師のように、
お互いに合いの手を入れるように
対話を進めることもできた、とも思います。

実際の職場でのマネジリアルコーチングに関しては、
必ずしもお互いが歩み寄って、、、という形には
相手によってはなりづらいかもしれません。

それでも、

”コーチングは対話であり
一緒に進めていくもの”

という合意形成、教育は、
やっぱり大事なのではないか、
と改めて感じた時間でした。

■そしてコーチングの最後に、妻曰く

「やっぱりこういう時間は大事だと思った」

とのことで、内容はさておき、
深く対話をすることは、よい時間になるんだな、

と思った次第でございます。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

「垣根」は相手がつくっているのではなく
自分がつくっている。

アリストテレス(古代ギリシャの哲学者/BC384-322)

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