メールマガジン バックナンバー

3276号 2023年2月11日

「紙のカレンダー」と「デジタルカレンダー」どちらが優れているのか? ー論文の研究結果から考えるー

(本日のお話 2199/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は終日、
ホテルの支配人を対象にした
「OKR研修」の実施でした。

時間管理の話と、
チームビルディングの話などを含めお届けしましたが
研修評価についても上々と言えそうで、

皆様が職場に持ち帰っていただけそうであり
嬉しく感じた1日でございました。

(ご参加頂いた皆様、ありがとうございました!)



さて、本日のお話です。

3月号のハーバードビジネスレビューに
興味深い論文が紹介されていました。

それが、

『紙のカレンダーと
モバイルカレンダーの違い』

についての考察した論文です。

その内容が面白く、
かつ実用的であると感じましたので、

本日はその内容について
皆様にご共有させていただければと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは、

【「紙のカレンダー」と「デジタルカレンダー」どちらが優れているのか?
ー論文の研究結果から考えるー】

それでは、どうぞ。

■紙のカレンダー派か、
デジタルカレンダー派か。

予定を立てることが
仕事では基本となっている私たちの日常にとって
上記は気になるテーマの一つかと思います。

■さて、そんなお話関して
こんな論文があります。

タイトルが

『紙のカレンダーとモバイルカレンダーの使い分けが、
日々のプランニングや計画の実現に与える影響について』

Huang, Yanliu, Zhen Yang, and Vicki G. Morwitz.(2023).
”How Using a Paper versus Mobile Calendar Influences Everyday Planning and Plan Fulfillment.”
Journal of Consumer Psychology: The Official Journal of the Society for Consumer Psychology 33 (1): 115–22.

というものです。

ハーバードビジネスレビュー2023年3月号に
『紙のカレンダーは捨てないで』なるタイトルで
紹介をされていました。

■この研究では3つの実験を行いました。

1つ目の実験は、以下のような
内容と結果になりました。

・被験者を無作為に2つのグループに分けた

・1つのグループには紙のカレンダーと、
もう1つのグループにはスマートフォンのカレンダーを
使うように指示をした

・2週間後にメールで調査をしたところ、

「紙のカレンダーを使った被験者の
52%が追加したイベントに参加」した一方、

「デジタルカレンダーを使った被験者は
33%が追加したイベントに参加」した。

というもの。

つまり、

『紙のカレンダーを使って
追加イベントを計画したほうが
より計画の実行率が高まる』

ということが示唆されました。

■次に、2つ目の実験では、
以下のようなことを行いました。

・自宅の修繕を始めようとしている被験者

・紙あるいはモバイルのカレンダーに
関連する作業を記してもらった

・被験者全員が
”今後の活動の全体像をどれくらい把握できたか”を回答
具体性/実現可能性/全体の有効性などについて自己評価を行った

・その結果、
「全体像を捉える感覚」は
紙のカレンダーを使った被験者が最も強かった。

というもの。

よって

『紙のカレンダーを使うと、
全体像を捉える感覚』

がデジタルの場合に比べて得やすく、
より質の高い計画ができそうであることが
示唆されました。

■最後に、3つ目の実験で

示唆された

『紙のカレンダーを使用している人は
デジタルカレンダーを使用している人よりも
予定を実行する確率が高い』

という調査結果が裏付けられました。

■そして、
以上の研究の概要をまとめると
以下の通りとなります。

・この研究では、紙のカレンダーとモバイルカレンダーの使い分けが
日々の計画や計画実行にどのような影響を与えるかを検証。

・私たちは、利便性のために
紙のカレンダーから
モバイルカレンダーに急速に移行している。

・しかし3つの研究により、
モバイルカレンダー利用者と比較して、
紙のカレンダー利用者は、

「より質の高い計画を立て、
よりうまく計画を実行すること」

が実証された。

・紙のカレンダーの利用者は計画作成時に、
より広く大きな視野を持ち、
それがより質の高い計画作成と計画実行の可能性に繋がる。

というお話でした。

■私(紀藤)毎で恐縮ですが、

私は現在、

・Googleカレンダー(デジタル)
・手帳(紙)

を併用して使っています。

最初は、
紙かデジタルか
どちらかかだけでいいだろう。

あえていうなら、
利便性やすぐに書き込めるから
やっぱりデジタルだよね、

ということで、
Googleカレンダーのみに
統一したときが数年前。

(どこかでホリエモンこと堀江貴文氏が
「デジタルだけで十分っしょ!」と語っていたのに
なぜだか影響された記憶があります。)

■しかし、いざやってみると
なんだかうまくいかないのです。

何が上手くいかなかったかというと、

「1週間の計画を立てるときに、
イメージがわかない、
わくわくしない」

ということでした。

感覚としては、

「デジタルで予定を入力すると
なんだか無機質な感じがして
感情がついてこない」

というイメージ。

なので、結局
紙の手帳も直ぐに
復活させることになりました。

■結果として、

1)予定の計画作成と振り返りは
「紙」の手帳で行う
(1週間、1ヶ月、3ヶ月、年間それぞれ)

2)日々のスケジュール調整や確認は
「デジタル」で行う

ことが、

効果性と効率性の両面から
最も都合が良さそうだ、

ということで落ち着きました。

やはり、計画をたてるときは

・ペンで色を使いつつ

・予定とそれをやっている自分を
想像しながら書き込んでいく時間”そのもの”

が意味があるのだな、、、

としみじみ感じるものです。

■便利である、効率的であるからと言って、
それが「機能する」とは限らない。

そして、

サクサクできるデジタルも大事だけど、
じっくり考えるアナログな時間も大事。

ホリエモンはデジタルで十分かもしれないけど
自分はやっぱりアナログも好きなのだな、、、
(そして他の人もそんな気がする)

それぞれ機能の違いで、
結論、一概にどちらが優れているとはいえないですが、

それらの特徴を踏まえて、

・計画については紙
・入力や利便性はデジタル

ということで上手に活用していきたいものだ、、、

そんなことをこの論文を読みつつ、
考えさせられた次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

==========================
<本日の名言>

自分と人生は、毎日それらを改めて
征服する人のみに価値がある。

ゲーテ
==========================

365日日刊。学びと挑戦をするみなさまに、背中を押すメルマガお届け中。

  • 人材育成に関する情報
  • 参考になる本のご紹介
  • 人事交流会などのイベント案内

メルマガを登録する

キーワードから探す
カテゴリーから探す
配信月から探す