メールマガジン バックナンバー

113号 2013年8月13日

「はだしのゲン」が見せてくれた人格主義

■おはようございます。紀藤です。

最近、太平洋戦争時のことがやたらと目につくこの頃。
先日、「風立ちぬ」を見てきましたが、
これも零戦の開発者のストーリーです。

こんな世の中だからこそ、
自分たちの歴史を振り返りたくなるのかもしれません。


■そんな折、書店で
「はだしのゲン」が売っていました。

小学校の頃読んだことがありますが、
何だかすごく生々しかったという記憶があるだけで
正直良く覚えていません。

そんなわけで、久しぶりに読んでみることにしました。

結果、当時わからなかったことも含めて、
多々考えさせられることがありましたので、
今日はそのお話を共有したいと思います。


■ちなみにご存知かと思いますが、
「はだしのゲン」は、広島原爆の話を描いた有名な漫画です。

原爆のすさまじさが生々しく描かれることはもとより、
その当時の日本がどんな環境だったのかということにも、
ストーリーを通じて語られていきます。

「はだしのゲン」の冒頭は、
ゲンのお父さんと、ゲンが「非国民」と
呼ばれているところから始まります。

お父さんが戦争に反対して警察に捕まり、
そんな時、ゲンに言います。

”ゲン、いまに父ちゃんがいったことが
正しいとわかるときがくる。
戦争で何もかも押さえつけられるこんな暗い世の中は
もう終わりにしなきゃいけんのだ・・・”


■その後、ピカドン(原爆)により、
家族を亡くしたゲンに待ち受ける様々な苦難。

原爆症に、食事もとれず栄養失調でなくなる人々。
そんな状況で、人々は自分のことだけで精一杯になり、
裏切り、嘘、不親切、争いなど、
人間の嫌な部分をたくさん見ることになります。

原爆前には慕われていたある家庭のおじさんが、
被爆で重傷を負って、ひどい姿になり、
その家族がひどい仕打ちをして見捨てようとする際に、

”お、おどれらどこまでつめたいんじゃ!
どうして最後の願いすら聞いてやれないんじゃ。
だから誠治は、死んでも死にきれないんじゃ。
わ、わしゃ、おまえらには がまんできんわい・・・
あきれてものもいえんわい・・・” 

と、その家族からもらっている
自分の仕事がなくなることもいとわず、
ゲンは厳しい一言を言い放ちます。


■ゲンは、お金がなくても、ひもじい状況でも、
常に目の前に起こることに対して、

「自分の中にある正しい答え」
に従って、行動を選択していました。

困った人がいたら、助ける。
受けた恩は忘れない。
見た目や国籍で判断しない。

父が言った言葉、

”ゲン、自分が正しいと思ったことは、
決して安っぽくまげちゃいけんぞ!”

というメッセージを受け止め、
自分の中の答えに従うゲン。

それは、当時の警察や政府が何と言おうと、
絶対に変わらない強いものでした。

そんな姿に、私はとても感銘をうけました。
(はだしのゲンが、こんなに素晴らしい人物だったとは…)


■今までも歴史が変わり、
時の権力者が変わるとそれに従い、
今まで「当たり前」と言われてきたことが
どんどん変わっていきました。

士農工商の階級制度しかり、
戦争時の自国に対しての見方もしかり。

「はだしのゲン」を始め、
当時の話で語られていることによると、
戦争中に教えられていたことは、
戦争が終わると「それは間違いだった」と
一遍して伝えられたと言われたそうです。

昨日まで正しかったことが、
正しいことでなくなる。

私は当時を想像することしかできませんが、
とてもショックな出来事だったと思います。


■今でも、
当たり前と言われていることは、
たくさんたくさんあります。

しかしながら、
歴史が変わり、環境が変わっていく中で、
その都度、答えが変わるようなものは、
私は本質的な事ではないように感じます。

そう考えると、ゲンが貫き通した、

・人への優しさ、
・思いやり、
・正義の心
・勇気

というものこそ、
いつの時代も、国を超えて人の心を動かし、
誰もが素晴らしいと思える物だと思いますし、
そんな「人格」の強さこそ、普遍的な真実なのではないかと思います。


■8月30日に、17年ぶりに、
『7つの習慣』が21世紀版の完訳として出版をされます。
よりコヴィー博士が書かれた原文に忠実に、
その魅力を余すことなく伝えるべく、改めて訳されたものです。

そして、そのタイトルは、

『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』

と命名されています。

先ほどお伝えしたように、
いつの時代も変わらない大切なことは確かにあると思いますし、
それこそが「人格」にあるのではないでしょうか。

今のような恵まれた時代だからこそ
「人格」と呼ばれる本質が何なのか、
今一度向き合ってみることが、
価値があることなのではないかと思う次第です。

まだまだ未熟な私も改めて、
自分を振り返ろうと思った夏の一日でした。


■今日のお話は、

・人は、過酷な環境になると裏切り、不親切、嘘など
 エゴと言われる部分が出がちである。

・そんな中、はだしのゲンは自分の信じる道を貫いた。

・それは当時言われていた他の国を倒す、ということでなく、
 目の前の人に親切にする、勇気を持つ、信念を持つ、など
 いつの時代も共通すること。

・歴史では、常に言われていることは変わり続けるが、
 変わるということは、本質ではないのではないか。

・逆に、時代を超えて美しいと思えるゲンの心のような
 「人格」こそ、大切にすべきものではないだろうか。

・そして「人格」をテーマにした、人生哲学の金字塔
 『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』 が8月30日に発売。

という内容でした。


本日も皆様にとって良い一週間になりますように。

【本日の名言】 人生の悲劇は、
まだ生きているのに
心が死んでいるということである。

           アルベルト・シュバイツアー 

365日日刊。学びと挑戦をするみなさまに、背中を押すメルマガお届け中。

  • 人材育成に関する情報
  • 参考になる本のご紹介
  • 人事交流会などのイベント案内

メルマガを登録する

キーワードから探す
カテゴリーから探す
配信月から探す